関節の痛み・腫れ・朝のこわばりが考えられる原因と受診の目安
「指の関節が痛い」「手首が痛い」「関節が腫れてきた」「朝になると手がこわばる」
実は手足の痛みを訴える方は非常に多く、令和4年の国民生活基礎調査では「手足の関節が痛む」は自覚症状として2番目に多い症状でした。(ちなみに1位は腰痛です。)
多くの場合は使い過ぎや加齢による変化などが原因で、自然に改善したり大きな治療を必要としなかったりします。
しかし中には関節リウマチなどしっかりとした検査や治療が受けたほうがいい疾患が隠れていることもあります。
ではどのような関節の痛みや朝のこわばりがあれば、リウマチ科を受診したほうがいいのでしょうか?
関節リウマチを疑う症状
- 1時間以上つづく朝のこわばり
- 手・足・肘・膝などが3か所以上腫れる
- 手首や指の関節が腫れる
- 左右両方の手や指が腫れる
- これらの症状が6週間以上つづく
上のどれかに当てはまる場合は関節リウマチの可能性が高くなると言われています。
またリウマチを診断する際に参考にする分類基準では上記の症状が6週間つづくとリウマチらしさが上がるとされていますが、近年では早期診断が重要とされており、もっと早いタイミングでの受診が望ましいと考えられています。
心当たりがある方はお近くのリウマチ科受診もご検討ください。
関節リウマチ以外の関節痛の原因
変形性関節症
変形性関節症とは加齢や長年の負担によって軟骨がすり減る病気です。
膝や股関節、指の第一関節などによくみられます。
指先の関節の変形が起きることもあり、へバーデン結節・ブシャール結節などと呼ばれます。
また女性ホルモンの関与も指摘されており、閉経前後の時期に悪化することも多いと言われています。
一部の患者さんにはイソフラボンやエクオールなどのサプリメントが有効だという報告もあります。
痛風・偽痛風
関節の中に尿酸やピロリン酸といわれる結晶がたまって強い関節の炎症を引き起こします。
痛風では足の親指の付け根が有名ですが、足首や膝などにも起こります。
偽痛風は高齢者に多く、肩や肘など大きな関節に起きることが特徴です。
ウイルス感染に伴う関節症
風疹・パルボウイルス(りんご病)・B型肝炎・C型肝炎など様々なウイルス感染でも関節症状が見られることがあります。
これらの病気は時に関節リウマチと非常によく似た症状が出るため注意が必要です。
その他膠原病
膠原病の中には全身性エリテマトーデス・皮膚筋炎・全身性強皮症・脊椎関節炎・成人発症スチル病など様々な関節症状を伴う病気があります。
関節リウマチと診断する時、あるいは関節リウマチとして少し非典型的な経過をたどった時にはこれらの疾患の可能性がないかしっかり吟味することが重要です。
血液検査だけでは分からないことがあります
「血液検査で異常がなかったので、リウマチではないと言われました。」
このような相談を受けることは少なくありません。
関節リウマチでは、リウマトイド因子(RF)や抗CCP抗体などを調べますが、これらが陰性でも関節リウマチである患者さんは少なくありません。
また、炎症を示すCRPやMMP-3も正常であることがあります。
血液検査だけで関節リウマチを否定することはできません。
症状や診察所見、画像検査などを総合的に判断することが重要です。
このような症状は早めの受診をおすすめします
以下のような場合は、早めの受診をご検討ください。
- 関節の痛みや腫れが2~4週間以上続く
- 朝のこわばりが毎日ある
- 指や手首、足の指が腫れている
- 市販薬を飲んでも改善しない
- 発熱や発疹、口や目の乾燥などを伴う
早期診断・早期治療が、関節や生活の質を守るために重要です。
Q&A
Q. 朝のこわばりは何分くらい続くとリウマチを疑いますか?
A. 朝のこわばりは健康な方でも短時間感じることがあります。しかし30分~1時間以上続く場合や、毎日繰り返す場合は関節リウマチなどの炎症性疾患が隠れている可能性があります。一度リウマチ科への相談をご検討ください。
Q. 血液検査が正常ならリウマチではありませんか?
A. いいえ。血液検査がすべて正常でも関節リウマチの患者さんはいます。
Q. 関節が痛いときは整形外科とリウマチ科、どちらを受診すればよいですか?
A. 転倒や外傷による痛みであれば整形外科が適しています。一方、原因がはっきりせず、複数の関節の痛みや腫れ、朝のこわばりが続く場合は、リウマチ科での評価をおすすめします。
Q. 関節リウマチは高齢者だけの病気ですか?
A. いいえ。10~80代と幅広い年代で発症することが知られており、若い世代でもみられます。